久々の更新も、やっぱり原発のこと( ; ; )

北海道の泊原発が、事故後日本で初めて再稼働する原発になってしまいそう。

北海道で何かあったら、日本の食はいったいどうなるのか…。

それにしても高橋知事、女性なだけにショック…。
事故後ずっと「女に任せときゃこんなことにならんかった(´Д` )」と言い続けたのを撤回します(T_T)

明日こちらに☟

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/jsk/tel/sougouseisaku.htm

電話して、再稼動やめて欲しい旨伝えてみます。電話の数が多いほど抑止力になるはず。皆さんもぜひ!

あ、ちなみにこんなのも☟

http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-780.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

読んでおくといいかも。

しかしお金って怖いね(´・_・`)

かっこ悪いなあ高橋知事。
原発事故とその後の被曝について、
北海道がんセンター西尾院長が書いた記事を見つけました。http://medg.jp/mt/2011/06/vol19512.html

チェルノブイリのデータをきちんと把握し関連レポートを参考にし諸団体の過去動向も踏まえて物事を判断しているので、信頼性が高いと思います。

以下はコピペ。
ECRRは極端な団体なのかなという思いもありましたが、統計データのくだりを読むと、少なくともICRPよりは信頼できるように思う。



独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター 
院長(放射線治療科) 西尾正道
2011年6月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

●はじめに
2011年3月11日は日本の歴史上で忘れられない日付となった。大地震とそれによる津波被害だけでも未曾有の事態であるが、福島原子力発電所の全電源喪 失による事態により原発の「安全神話」は崩壊し、今なお震災復興や事故対策の目途が立たない状況が続いている。関係者は全力で対応しているが、情報開示不 足や指揮の不手際や事故収拾に向けた不適切な対応もあり、今後の健康被害が憂慮されている。
原発事故による放射性物質の飛散が続く中、地域住民は通常のバックグランド以上の被ばくを余儀なくされて生活している。私は事故直後に風評被害を避けるた めに、3月14日に『緊急被ばくの事態への対応は冷静に』と題する雑文を短期収束を前提に書いて配信させて頂いた。しかし事故の全容が明らかになり、放射 性物質の飛散が長期的に続くとなれば、全く別の対応が必要となる。6月5日現在の情報をもと、原発事故を通して見えてきた【放射線】を取り巻く社会的対応 や健康被害についてに私見を述べる。

●原発事故で判明した「放射線」に関する社会の無理解
原爆被ばく国であり本来は最も「放射線」に対して知識を持っているはずの日本人の原発事故への対応は、なお混迷している。
事実の隠蔽と会社存続に固辞して画策する東京電力、文系技官が中心で正確な知識を持ち合わせていない行政、指導力と緊張感を欠如した政府首脳、政争の具に 利用しようとする政治家達、今まで原発の安全神話を作り上げてきた御用学者や業界人、こうした原子力村の人々の姿を見れば、日本に明るい未来を感じること はできない。なんとも悲しい現実である。

多くの報道機関からも取材を受けたが、社会部などの担当者の知識が乏しいため、5分でおわる電話取材でも30分となる。これでは詳細な情報や真実は国民に は伝わらない。本当の使命は真実を伝えることなのだが、パニックとなりかねないことは決して報道しないジャーナリストや報道機関。本当にこれでいいのだろ うか。しかし現実の超深刻な原発事故の収拾には、多くの犠牲を払っても実現しなければならない。

●作業員に対する被ばく対応の問題
この2カ月余りの経過を報道で知る限り、住民や原発事故の収拾に携わる作業員の健康被害について極めて問題がある。事故発生後、早々と作業員の緊急時被ば く線量の年間限度値を100mSvから250mSvに上げたが、この姿勢はご都合主義そのものである。250mSvは遺伝的影響は別として、臨床症状は呈 しないと言われる線量である。「ただちに健康被害は出ない」上限値である。しかし作業員の健康被害を考慮すれば、やはり法律を順守した対応が求められる。 そのための法律なのである。
また作業員への衣食住の環境は極めて劣悪であり、人間扱いとは思えない。誰が被ばく管理や健康管理を担当して指揮しているのか、そのデタラメさは目に余るものがある。
自衛隊ヘリによる最初の注水活動「バケツ作戦」では、被ばくを避けるために遮蔽板をつけ、飛行しながら散水した。遮蔽板を付けるくらいならばその分、水を 運んだほうがましであり、最適な位置に留まって注水すべきなのである。この論理でいえば我々は宇宙から注ぐ放射線を避けるために頭には鉛のヘルメットをか ぶり、地面からのラドンガスを避けるために靴底にも遮蔽板を付けて、常に動きながら生活することとなる。
医療で部位を定めて照射する直接線(束)からの防護と、空間に飛散した放射性物質からの防護の違いを理解していない。必死の覚悟で作業している自衛隊員が気の毒であった。
また、白い独特の服装を防護服と称して着用させて、除染もしないで着のみ着のままで就寝させている光景は異常である。放射線に対する防護服などはない。安 全神話の一つとして、ヨード剤を放射線防護剤と称して、あたかも放射線を防護できるような言葉を使用してきたが、防護服も同様な意味で名称詐欺である。着 用すれば、塵状・ガス状の放射性物質が直接皮膚に接触しないだけであり、防護している訳ではない。防護服を着たまま寝るよりは、通常の衣服を厚めに来て皮 膚面を覆うことが重要であり、毎日新しいものに着替えたほうがよほど被ばく線量は少なくなる。放射線防護の基本的なイロハも理解していない対応である。ま た通常は13,000cpm(4000Bq/m2)以上を除染対象としていたが、入浴もできない環境下で、いつのまにか除染基準を100,000cpmと した。13,000cpmの基準では全員が除染対象となるからであろう。作業当日の被ばくからの回復には高栄養と安静が最も重要なことであるが、プライバ シーも無い体育館のような免震重要棟に閉じ込めておくのは、逃げられないためなのであろうかと疑いたくない。30分もバスで走れば、観光客が激減して空い ているホテルで静養できるはずである。

被ばく線量のチェックでは、ポケツト線量計も持たせず、またアラームが鳴らない故障した線量計を渡すなど、下請・孫請け作業員の無知に付け込んだ信じられ ない東電の対応である。さらに作業中のみ線量計は持たされても、それ以外は個人線量計も持たせていないのは論外である。寝食している場所も決して正常範囲 の空間線量率の場所ではないのである。被ばく線量を過小評価してできるだけ働かそうという意図が見え見えである。また放射性物質が飛散した環境下では最も 重要な内部被ばくもホールボディカウンタで把握し加算すべきである。これでもガンマー線の把握だけなのである。
原発周辺の作業地域は中性子線もあるであろうし、プルトニウムからのアルファ線もストロンチウムからのベータ線も出ているであろう。線質の違いにより測定 する計測器や測定方法が異なるため、煩雑で手間暇がかかるとしても内部被ばくの把握は最も重要なことである。インターネット上の作業員の証言では通常より は2桁内部被ばく線量も多くなっているという。このような対応の改善が無ければ、まさに「静かなる殺人」行為が行われていると言わざるを得ない。

5月24日には1~3号機の全てで原発がメルトダウン(炉心溶融)の状態であることが発表されたが、ガンマー線のエネルギーを調べればコバルト-60も放 出されていたはずである。ウランの崩壊系列からは出ないコバルト-60の検出は、燃料ペレットの被覆管の金属からの放出であり、メルトダウンしていること は想像できたことである。

今後は膨大なマンパワーで被ばくを分散して収拾するしかない。そのためには多くの作業員を雇用して、原発建屋や配管などの詳細な設計図や作業工程を熟知さ せて作業に当たる必要がある。しかしその準備の気配もない。現在は5千人前後の人達が原発の収拾に携わっているらしいが、作業員の線量限度を守るとすれ ば、百倍、千倍の作業員が必要となる可能性がある。不謹慎であるが、低迷する日本経済の中で、皮肉にも被ばくを代償とした超大型雇用対策となった。

3号機はMOX燃料であり、ガンマー線の20倍も強い毒性を持つα線を出す半減期2万4000年のプルトニウム-239も出ている作業環境である。ガン マー線の測定だけでは作業員の健康被害は拡大する心配がある。揮発性の高い核種であるセシウムやヨウ素は遠くまで飛散するが、事故現場周辺はウランや中性 子線もあるであろうし、被覆材からのコバルト-60も出ている。6月4日の報道では1号機周囲で4千mSv/hが測定されており、人間が近づける場所では なくなっている。

作業員に対して事前に造血幹細胞採取を行い、骨髄死の可能性を極力避ける工夫も提案されたが、原子力安全委員会や日本学術会議からは不要との見解が出され、事の深刻さを理解していないようだ。
また放射性医薬品を扱っている日本メジフィジックス社は事故直後にラディオガルダーゼ(一般名=ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸鉄(Ⅲ)水和物)を緊急輸入し無償 で提供した。この経口薬はセシウム-137の腸管からの吸収・再吸収を阻害し、糞中排泄を促進することにより体内汚染を軽減する薬剤である。作業員にはヨ ウ素剤とともにラディオガルダーゼの投与を行うべきである。このままでは、いつもながらの死亡者が出なければ問題としない墓石行政、墓石対応となる。

●地域住民に対する対応の問題
地震と津波の翌日に水素爆発で飛散した放射線物質は風向きや地形の違いにより、距離だけでは予測できない形で周辺地域を汚染した。高額な研究費を費やした とされるSPEEDIの情報は封印され、活用されることなく3月12日以降の数日間で大量の被ばく者を出した。SPEEDIの情報は23日に公開された が、時すでに遅しである。公開できないほどの高濃度の放射線物質が飛散したことによりパニックを恐れて公開しなかったとしか考えられない。郡山市の医院で は、未使用のX線フィルムが感光したという話も聞いている。また静岡県の茶葉まで基準値以上の汚染が報告されているとしたら、半減期8日のヨウ素からの放 射能が減ってから23日に公開したものと推測できる。
菅首相の不信任政局のさなか、原口前総務大臣はモニタリングポストの数値が公表値より3桁多かったと発言しているが、事実とすれば国家的な犯罪である。情報が隠蔽されれば、政府外の有識者からの適切な助言は期待できず、対応はミスリードされる。

「がんばろう、日本 !」と百万回叫ぶより、真実を一度話すことが重要なのである。3月23日以前の国民が最も被ばくした12日間のデータを公開すべきである。
後に政府・東電は高濃度放射能汚染の事実を一部隠蔽していたことを認めたが、X線フィルムが感光するくらいであるから、公表値以上の高い線量だったことは確かである。全く不誠実な対応であるが、その後も不十分な情報公開の状態が続いている。
そして現在も炉心溶融した3基の原子炉から少なくなったとはいえ放射性物質の飛散は続いているが、収束の兆しは全く見えてこない。

日本の法律上では一般公衆の線量限度は1mSv/年であるが、政府は国際放射線防護委員会(ICRP)の基準をもとに警戒区域や計画的避難区域を設け、校 庭の活動制限の基準を3.8μSv/hとし、住民には屋外で8時間、屋内で16時間の生活パターンを考えて、「年間20mSv」とした。文科省が基準とし たICRP Publication 109(2007)勧告では、「緊急時被ばく状況」では20 mSv~100 mSv/年を勧告し、またICRP Publication 111(2008)勧告では、「緊急時被ばく状況」後の復興途上の「現存被ばく状況」では1 mSv-20 mSv(できるだけ低く)に設定することを勧告している。
政府は移住を回避するために、復興期の最高値20mSvを採用したのである。しかし原発事故の収拾の目途が立っていない状況で住民に20mSv/年を強いるのは人命軽視の対応である。

この線量基準が諸兄から「高すぎる」との批判が相次いだ。確かに、年齢も考慮せず放射線の影響を受けやすい成長期の小児や妊婦にまで一律に「年間 20mSv」を当てはめるのは危険であり、私も高いと考えている。しかし私は、「年間20mSv」という数値以上に内部被ばくが全く計算されていないこと が最大の問題であると考えている。

政府をはじめ有識者の一部は100 mSv以下の低線量被ばく線量では発がんのデータはなく、この基準の妥当性を主張している。しかし最近では100mSv以下でも発がんリスクのデータが報告されている。
広島・長崎の原爆被爆者に関するPrestonらの包括的な報告では低線量レベル(100mSv以下)でもがんが発生していると報告2)され、白血病を含めて全てのがんの放射線起因性は認めざるを得ないとし、被爆者の認定基準の改訂にも言及している。
また、15カ国の原子力施設労働者40万人以上(個人の被曝累積線量の平均は19.4mSv)の追跡調査でも、がん死した人の1~2%は放射線が原因と報告している3)。
こうした報告もあり、米国科学アカデミーのBEIR-Ⅶ(Biological Effects of Ionizing Radiation-Ⅶ、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告, 2008)では、5年間で100mSvの低線量被曝でも約1%の人が放射線に起因するがんになるとし、「しきい値なしの直線モデル」【 (LNT(linear non-threshold)仮説 】 は妥当であり、発がんリスクについて「放射線に安全な量はない」と結論付け、低線量被ばくに関する現状の国際的なコンセンサスとなっている。

さらに、欧州の環境派グループが1997年に設立したECRR(欧州放射線リスク委員会)は、国際的権威(ICRP、UNSCEAR、BEIR)が採用し ている現行の内部被ばくを考慮しないリスクモデルを再検討しようとするグループであるが、先日の報道では、ECRRの科学委員長であるクリス・バスビーは ECRRの手法で予測した福島原発事故による今後50年間の過剰がん患者数を予測している。原発から100kmの地域(約330万人在住)で約20万人 (半数は10年以内に発病)、原発から100Km~200Kmの地域(約780万人在住)で約22万人と予測し、2061年までに福島 200km 圏内汚染地域で417,000人のがん発症を予測している。しかし計算の根拠とした幾つかの仮定や条件が理解できない点も混在しており、予測値は誇張され ていると私は感じている。ちなみにICRPの方法では50年間で余分ながん発症は6,158人と予測されている。さてこの予測者数の大きな違いはどう解釈 すべきなのか。

また、震災前の3月5日に、米国原子力委員会で働いたことのあるJanette Sherman医師のインタビュー4)では1986年4月のチェルノブイリ事故後の衝撃的な健康被害が語られている。彼女が編集したニューヨーク科学アカ デミーからの新刊 "Chernobyl : Consequences of the catastrophe for people and the environment"によると、医学的なデータを根拠に1986~2004年の調査期間に、98.5万人が死亡し、さらに奇形や知的障害が多発してい るという。また、ヨウ素のみならずセシウムやストロンチウムなどにより、心筋、骨、免疫機能、知的発育が起こっており、4000人の死亡と報告している IAEAは真実を語っていないと批判している。これは、(1)正確な線量の隠蔽、(2)低線量でも影響が大きい、(3)内部被ばくを計算していないため、 といった原因が考えられる。この大きな健康被害の違いについても、私は内部被ばくの軽視が最大の原因だと考えている。
しかし低線量でも被害が大きいことが隠蔽されている可能性も否定できない。ちなみに原発事故の翌日に米国は80Km圏内からの退避命令を出しており、低線量被ばくの被害の真実の姿を握っていて対応した可能性もある。

(その2/2に続く)

文献
(1)Amy Berrington de Gonzalez, Sarah Darby: Risk of cancer from diagnostic X-rays: estimates for the UK and 14 other countries. Lancet 363:345-351, 2004.
(2)D.L.Preston, E.Ron, S. Tokuoka,et al: Solid Cancer Incidence in atomic Bomb Survivors;1958-1998. Radiation Res.168:1-64,2007.
(3)Cardis E, Vrijheid M, Blettner M, et al: Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries.BMJ.9:331(7508):77,2005.
(4)http://www.universalsubtitles.org/en/videos/zzyKyq4iiV3r/



週間朝日がこんなん書いてた☟

ま、わかってたことですけどね(。-_-。)

秋になる前に一度帰りたかったけど

こんなだと、なんだかそれも賭けなきがしてしまいます(。-_-。)

(以下コピペ)
新工程表はデタラメ
週刊朝日2011年7月29日号配信

いよいよ「脱原発」の姿勢を強める菅直人首相だが、その足元に横たわる原発事故は、本当に収束に向かっているのだろうか。「工程表」の妥当性は、原発の現状は、そして政府・経済産業省・東京電力の協力関係は--先週号に引き続き、福島第一原発"最高幹部"の一人が語る「フクシマの真実」第2弾!! (本誌取材班)


 菅直人首相は7月13日夕、首相官邸で開いた会見で、今後の国のエネルギー政策について「脱原発依存」を進める考えを示し、力を込めてこう語った。

「この大きな事故を踏まえて原子力政策の見直しを提起するのは、その時代の総理の責務だ」

 いまこそ日本は原発に頼った社会構造を改め、自然エネルギーをはじめとする"安全"な代替エネルギーにシフトすべきだ--そう主張する方向性そのものに異論は少ないだろう。しかし、あまりにもいまさらである。

 時事通信の世論調査(7月7~10日に実施)では、菅政権の支持率は、前月から9・4ポイント急落して12・5%。これは2009年9月に民主党政権が誕生して以来、最低の数字であり、あの森喜朗政権末期(01年4月)の支持率10・8%に迫る勢いだ。

 菅首相から人心が離れていく、その理由は簡単だ。就任以来、繰り返されてきた"思いつき"と"自己都合"の言葉の軽さに辟易としているのが、この数字から読み取れるではないか。その首相の口から発せられる「脱原発」路線に対し、かえって反発が生まれているとしたら、まったく皮肉な話だ。

 福島第一原発の事故収束に向け、政府は7月19日、「新工程表」を発表する。

 東京電力が4月17日に発表した"旧"工程表では、最初の3カ月程度が、確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせる第1段階(ステップ1)、そしてさらに3~6カ月かけて、原子炉を100度未満の安定状態に保つ「冷温停止」にし、放射性物質の漏出を大幅に抑える第2段階(ステップ2)に至る、としている。

 いま、ちょうどステップ1の目標期限を迎えたところだ。しかし、政府と東電が掲げるこの工程表は、果たして信用に値するものなのだろうか。実は、現場の意識とは大きな乖離があるという。これまで継続的に本誌の取材に応じてきた福島第一原発の「最高幹部」が、こう語るのだ。

     ◇   ◇

 この"旧"工程表については、4月の本社発表に先立って、実はフクイチ(福島第一原発)の現場からは「(収束までに)約1年半」というスケジュールを想定したものを出しました。これでも、熟練の作業員をフル動員することを前提にして、ようやく達成できるレベルです。

 ところが本社からは、
 「こんなのでは遅すぎる。菅総理が納得しない。(5月下旬の)サミットでどう説明するんだ」
 と言われました。結局、本社がいろいろと継ぎはぎして「9カ月」の工程を作ったのです。

 工程表では3カ月+3~6カ月の「2ステップ」などと謳(うた)っています。ステップ1は何とかなるかもしれないが、問題はステップ2。このスケジュールどおりなんて到底、無理な話ですよ。放射線量の限度を超え、どんどん熟練作業員の人数が減っていく中で、どうすればできるのですか。

 無人ロボットが導入されましたが、あんなのが何台あっても最後の最後は「人手」が必要です。その「人手」の作業を阻むのが、建屋の地下にたまった汚染水なのです。

     ◇   ◇

 実際、工程表を進めれば進めるほど、その見通しが甘かったことが明らかになっている。すでに東電は5月17日、「新しい工程表」を発表した。4月の発表から、わずか1カ月での「修正」である。

 最大の修正は、原子炉の冷却方法だった。もともとは、1~3号機の格納容器を水で満たして核燃料を原子炉圧力容器ごと冷やす「格納容器冠水」方式を予定していたが、これを断念。というのも、格納容器に穴が開いているようで、注水しても一向に水がたまらないことがわかったためだ。

 そこで新たな方策として打ち出されたのが、いまようやく動き始めた「循環注水冷却システム」だった。

◆1~4号機はどれも危ない◆

 この「冠水」方式にしても、現場は当初から「メルトダウン(炉心溶融)で格納容器に穴が開いている可能性があるので難しい」と指摘していた。しかし、「実際に穴が開いているのを見たのか」という変な話になり、この方式が政府に上がってしまった。

 一方の「循環注水」方式は早い段階から候補に挙がっていたが、装置を準備するのに時間がかかるからと却下された。それが、いきなり復活したのです。

 工程表には、細かい工事内容も書かれていますが、実際には予定されていたよりも1・5~2倍の時間がかかっている。「循環システム」設置だって、予定の1・5倍の時間がかかりました。本社の作った工程表は、あくまでも理想で、現実性は乏しい。

 さらに今後、この暑さの中で作業は困難になります。作業員たちの健康のため、いま工事は朝6時ごろから始め、午後2時ごろには終わらせている。こんな環境の中で、工程表どおりに実現させるのは難しい。それに、1~4号機はそれぞれ状況が違うので、予想できない事態もあり得ます。

 19日に発表される新工程表でも、期日の修正はあまりないようです。というのも、期日については政府の意向が強く、政治的な責任問題が発生するとかで、なかなかいじれないらしい。結局、理想論を前提に、結論ありきでスケジュールをはめ込んでいるだけ。現場としては、国民に本当のことを知らせるべきだと思っています。

     ◇   ◇

 驚愕の証言である。いま発表されている工程表は、まったくの"デタラメ"だというのだ。

 実際、現場は事故収束に向けて着々と工事を進めつつも、決して事態を楽観していない。作業を妨げるいちばんの要因は、やはり「汚染水」だった。

     ◇   ◇

 ずっと「水」に苦しめられてきました。原子炉を冷やせば冷やすほど汚染水が増え、それが建屋の地下、トレンチ(タービン建屋外にある地下の作業用トンネル)に大量に流入していくという悪循環です。大雨が降ると敷地内に流れ出す可能性もあり、作業員が近寄れなくなる。海に流れ込む恐れもある。いま、ようやく「循環注水冷却システム」が動き始めましたが、まだ安定したとはいえない。

 しかも、もしも核燃料がメルトスルー(原子炉貫通)しているならば、たまった汚染水は非常に高濃度になっている。チェルノブイリ事故の際は、すぐに地下水対策をしましたが、それは日本の技術だった。地下にトンネルを通し、セメント、ベントナイト(粘土鉱物)などを注入して固めてしまう方式です。これをフクイチでも実施すべきではないかと思う。国土交通省はこうしたプランを数多く持っていますが、所管の経産省との連携がうまくいっていないのか、適切と思われる対応策が講じられていないのが現状です。現場からも本社にプランを上げているんですが、何の動きもない。

 また、4号機が危ない、1号機がダメらしい--などといろいろ言われますが、私から言わせれば、どれも危ない。工程表では汚染水の流出源についても、詳しく触れられていません。

 たとえば、1号機は格納容器から漏れているようです。しかし、その場所が特定できない。穴の大きさもわからない。つまり、何もできない。安易にどれくらいで収束すると断言できないのです。

 3号機では、1、2号機に続いて水素爆発を防ぐための窒素注入がようやく始まった。しかし、地下に大量の汚染水がたまって苦しい状況には変わりない。建屋内に入ることはできましたが、内部は飛散した瓦礫で埋もれていて、燃料プールの確認も大変な状況です。

 3号機、4号機に共通していえるのは、建屋の強度に不安があることです。かなり崩れていて、作業中に上からコンクリート片が落ちてくることもあり、作業員も怖がっている。

 特に4号機の燃料プールは、早急に手だてを講じないと危ない。4月の最大余震の際は「倒壊を覚悟した」と言う作業員もいたほど。すでに建屋の補強工事に着手し、作業は順調に進んでいますが、本格的な台風の季節の前に何とか対応したいところです。

 2号機も、ひどい状況です。作業の間、汚染水があふれたり、漏れたりしないかとヒヤヒヤの連続でした。ただ、少なくとも配管などは爆発でやられていないので、1号機、3号機とはちょっと状況が違いますね。とりあえずは最悪の危機は脱出したと考えています。

 最近でも、1~4号機の映像を中継している「ふくいちライブカメラ」を見て、「白い煙」が出ているとの指摘がありますが、あれは燃料プールの使用済み燃料が熱を持っているため、湯気みたいなものが出てそう見えるのです。プールから水が漏れているので十分に冷やせず、熱が下がらない。それで水蒸気が出る。もっとも、その「湯気」には放射性物質も含まれています。

     ◇   ◇

 現場は事故から4カ月たったいまでも、本社の"事なかれ主義"、そして官邸のパフォーマンスじみた言動に振り回され続けている。その矢面に立たされてきたのが、現場で陣頭指揮を執る吉田昌郎所長だ。

 震災翌日の3月12日早朝に、菅首相が断行した「現地視察」も、現場にとっては大きな"弊害"だった。

 11日、原発事故の状況が刻一刻と深刻化する中、深夜になって菅首相は突然、第一原発の現場を視察すると言いだす。格納容器内の圧力が上限を大きく超え、一刻も早くベント(排気)の必要があるとされていたころだ。菅首相は「一向にベントをしない現場に活を入れるためだった」などと説明しているが、この視察が結果的に、現場を混乱させることになったという。

     ◇   ◇

 12日早朝(午前7時すぎ)に菅さんがこちら(フクイチ)に乗り込んできたときは、本当に驚きました。確かに事前に「総理が来る」との連絡はありました。しかし、そんな急に、本当に来るとは思いもしなかった。しかも、ヘリコプターで来て免震棟で会うなり、
「何をやっている。ベントはどうなっている。早くするんだ!」
 などと怒鳴り散らすのです。総理にそこまで言われると、さすがに皆、引いてましたね。吉田所長は、
「とにかく、どんなことをしてでもやります。決死の作業で、命かけてでも絶対に何とかします」
 と答えてました。

 1号機が水素爆発を起こしたのは、ベントが遅れたせいだと指摘されていますが、現場としては、近隣住民のことが気になっていました。ベントをすれば放射能がまき散らされる。近隣住民の避難状況はどうなのか、放出される範囲は広範囲にわたるので、現場としては、かなり深刻に考えていました。

 それに、自動でベントを開閉する装置がダメになっていたため、手動で動かさなくてはならない状況だった。当時、1号機のリアクター(原子炉)建屋はかなりの放射線量が予想されていました。そんな危険な場所に誰を行かせるのか。本当に決死の作業なのです。

◆もうフクイチで死んでゆくのか◆

 この「早朝視察」について、吉田所長は周囲に、無念そうにこう言ったという。

「言い訳になるかもしれないけど、菅総理がフクイチの現場に来たことで、そちらにばかり目がいってしまい、2時間ほど『ベント』などの指示が出せなかった。当時は、すべて私が指示して動いていた。それが止まったことで、周りも動けなくなってしまった」

 東電が6月に公表した報告書によると、吉田所長がベントの準備を指示したのが12日午前0時6分のこと。そして東電が、ベント実施を菅首相、海江田万里経産相、そして原子力安全・保安院に申し入れ、了承される。ところが、午前2時24分には、現場の放射線量から作業可能時間は17分と報告され、午前4時半ごろには、余震による津波の可能性から現場操作の禁止が指示された。ベントに向けた状況が、いかに困難だったかがわかる。

 さらに、午前8時27分になって、原発立地町である大熊町の一部住民が、まだ避難できていないとの情報が入る。避難終了を待って、ようやく作業員が現場に向かったのが午前9時4分。格納容器圧力の低下を確認できたのは午後2時半になってからのことだった。

 そして午後3時36分、1号機で水素爆発が起きた--。

     ◇   ◇

 1号機が水素爆発を起こしたときは、もう目の前が真っ暗でした。ベントをしたのに、いきなりの爆発でしょう。最悪の事態です。免震棟内もパニック状態で、「帰らせてくれ」と言う作業員、社員も出てきました。私たちには、それをとめることはできません。とにかく残った人間でやるしかない。もうフクイチで被曝(ひばく)して死んでゆくのか、これまで原発で過ごしてきた何年もの日々が一瞬、頭をよぎりました。

 当時は知らなかったのですが、政府は震災当日の11日午後9時23分に、原発から「半径3キロ圏内」の住民に避難指示を出し、その後、翌12日午前5時44分に「10キロ圏内」、午後6時25分に「20キロ圏内」--と次第に範囲を拡大していった。

 でも、現場ではもっと広い範囲、少なくとも半径50キロは避難していると思った。なんといっても、あれだけの爆発だったんですから。結局、避難範囲が半径3キロ圏内と聞いたときも、「大丈夫か?」と思ったのが正直な印象ですね。

 米政府は当時、半径50マイル(約80キロ)圏内の自国民に対して避難勧告を出しました。チェルノブイリ事故では、国際原子力機関(IAEA)の報告によると、旧ソ連の汚染地域は約14万5千平方キロメートルで、約300キロ離れた地域でも高いレベルの汚染があったことがわかっている。爆発が相次ぐ中、当時は私自身、半径30キロどころか、青森から関東まで住めなくなるのではないかと思ったほどです。

 本社と政府の話し合いで決まったんだろうけど、余震の危険性などを考えれば、最低でも半径50キロ、できれば半径70キロ、万全を期すならば半径100キロでも不思議はなかった。最初は広範囲にして、それから「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)」の予測などをもとに狭めていけばよかったのではないでしょうか。

 いま原発は何とか安定していますが、放射性物質がかなり飛散しているのが実態です。避難地域の見直しが必要だと思います。実際、もう半径20キロ圏内は戻れないと、そろそろ発表してもいいんじゃないか。子どもたちが学校に通うのは無理です。最初からもっと広範囲で避難させていればと悔やまれます。

     ◇   ◇

 菅政権は6月27日、首相補佐官だった細野豪志・衆院議員を新設の「原発担当大臣」に据えた。原発事故対応に特化した新ポストだが、海江田経産相との役割分担ははっきりしない。果たして今後、事故収束に向けて政府・経産省・東電の歯車は、うまく回っていくのだろうか。

◆「私の立場はどうなるんだ」◆

 細野さんが原発担当大臣になって歓迎ムードがあるようですが、現場としては、うーんという感じ。期待はしていたんですが、正直いって彼は経産官僚と変わりない。現場が望むのは、意思決定のスピードとリーダーシップ。でも、細野さんと話しても、どちらも兼ね備えていない。経産官僚が言っていたことを、数日後に細野さんの口から聞くという感じです。経産官僚の言うがままの「操り人形」と我々は呼んでいます。

 政府の原発に関する決定は本当に遅い。菅総理は「細野に任せてある」と言うのに、細野さんは「決めるのは総理」と言うばかり。菅さんが責任を細野さんに押しつけているのは誰の目にも明らかで、細野さんは、それには乗らないと牽制(けんせい)しているんです。堂々巡りで、一向に前に進みません。

 東電本社も経産省の言うがままで、こんなにノンビリでいいのかと思うほど意思決定が遅い。この状況を喜んでいるのは、経産省をはじめとする官僚たちです。

 現場と本社には、明らかに認識のズレがあります。フクイチから本社には毎日、膨大な量の情報が上がりますが、いま国民に公表されているのはその10%、いや1%くらいかもしれません。実際、現場は当初から「メルトダウン、メルトスルーの可能性がある」と報告していますが、本社は発表しませんでした。

 一連の発表を見ていると、派閥や上司との人間関係など、社内でしか理解できない力学が働いているように思えます。

 というのも、うち(東電)は、とにかく風通しが悪い組織なんですよ。いろんな人間が口を出してくる。

 現場と本社は、衝突ばかりです。ある本社幹部は、情報公開を巡ってこんなことを言っていました。

 「そんな情報が保安院や政府にわかると、大変なことになる。(問題が)ますます拡大するじゃないか」

 そして最後には、
 「私の立場や出世はどうなるんだ。キミはわかってるのか!」
 と言うんだから呆(あき)れてしまいます。的確な情報が適切なタイミングで届かないから、トップが最終決断しなければならないときに、十分な情報がないということが起こるのです。本当に、どこを見て仕事しているんでしょうかね。

 今回の事故は我々の責任が重大で、おわびするしかありません。いま、フクイチには日本、いや世界の存亡がかかっている--私たち現場の人間はそういう覚悟でやっています。でも、残念ながらこれが、いまの本社の状況なのです。



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週間朝日がこんなん書いてた☟

ま、わかってたことですけどね(。-_-。)

秋になる前に一度帰りたかったけど

こんなだと、なんだかそれも賭けなきがしてしまいます(。-_-。)

(以下コピペ)
新工程表はデタラメ
週刊朝日2011年7月29日号配信

いよいよ「脱原発」の姿勢を強める菅直人首相だが、その足元に横たわる原発事故は、本当に収束に向かっているのだろうか。「工程表」の妥当性は、原発の現状は、そして政府・経済産業省・東京電力の協力関係は--先週号に引き続き、福島第一原発"最高幹部"の一人が語る「フクシマの真実」第2弾!! (本誌取材班)


 菅直人首相は7月13日夕、首相官邸で開いた会見で、今後の国のエネルギー政策について「脱原発依存」を進める考えを示し、力を込めてこう語った。

「この大きな事故を踏まえて原子力政策の見直しを提起するのは、その時代の総理の責務だ」

 いまこそ日本は原発に頼った社会構造を改め、自然エネルギーをはじめとする"安全"な代替エネルギーにシフトすべきだ--そう主張する方向性そのものに異論は少ないだろう。しかし、あまりにもいまさらである。

 時事通信の世論調査(7月7~10日に実施)では、菅政権の支持率は、前月から9・4ポイント急落して12・5%。これは2009年9月に民主党政権が誕生して以来、最低の数字であり、あの森喜朗政権末期(01年4月)の支持率10・8%に迫る勢いだ。

 菅首相から人心が離れていく、その理由は簡単だ。就任以来、繰り返されてきた"思いつき"と"自己都合"の言葉の軽さに辟易としているのが、この数字から読み取れるではないか。その首相の口から発せられる「脱原発」路線に対し、かえって反発が生まれているとしたら、まったく皮肉な話だ。

 福島第一原発の事故収束に向け、政府は7月19日、「新工程表」を発表する。

 東京電力が4月17日に発表した"旧"工程表では、最初の3カ月程度が、確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせる第1段階(ステップ1)、そしてさらに3~6カ月かけて、原子炉を100度未満の安定状態に保つ「冷温停止」にし、放射性物質の漏出を大幅に抑える第2段階(ステップ2)に至る、としている。

 いま、ちょうどステップ1の目標期限を迎えたところだ。しかし、政府と東電が掲げるこの工程表は、果たして信用に値するものなのだろうか。実は、現場の意識とは大きな乖離があるという。これまで継続的に本誌の取材に応じてきた福島第一原発の「最高幹部」が、こう語るのだ。

     ◇   ◇

 この"旧"工程表については、4月の本社発表に先立って、実はフクイチ(福島第一原発)の現場からは「(収束までに)約1年半」というスケジュールを想定したものを出しました。これでも、熟練の作業員をフル動員することを前提にして、ようやく達成できるレベルです。

 ところが本社からは、
 「こんなのでは遅すぎる。菅総理が納得しない。(5月下旬の)サミットでどう説明するんだ」
 と言われました。結局、本社がいろいろと継ぎはぎして「9カ月」の工程を作ったのです。

 工程表では3カ月+3~6カ月の「2ステップ」などと謳(うた)っています。ステップ1は何とかなるかもしれないが、問題はステップ2。このスケジュールどおりなんて到底、無理な話ですよ。放射線量の限度を超え、どんどん熟練作業員の人数が減っていく中で、どうすればできるのですか。

 無人ロボットが導入されましたが、あんなのが何台あっても最後の最後は「人手」が必要です。その「人手」の作業を阻むのが、建屋の地下にたまった汚染水なのです。

     ◇   ◇

 実際、工程表を進めれば進めるほど、その見通しが甘かったことが明らかになっている。すでに東電は5月17日、「新しい工程表」を発表した。4月の発表から、わずか1カ月での「修正」である。

 最大の修正は、原子炉の冷却方法だった。もともとは、1~3号機の格納容器を水で満たして核燃料を原子炉圧力容器ごと冷やす「格納容器冠水」方式を予定していたが、これを断念。というのも、格納容器に穴が開いているようで、注水しても一向に水がたまらないことがわかったためだ。

 そこで新たな方策として打ち出されたのが、いまようやく動き始めた「循環注水冷却システム」だった。

◆1~4号機はどれも危ない◆

 この「冠水」方式にしても、現場は当初から「メルトダウン(炉心溶融)で格納容器に穴が開いている可能性があるので難しい」と指摘していた。しかし、「実際に穴が開いているのを見たのか」という変な話になり、この方式が政府に上がってしまった。

 一方の「循環注水」方式は早い段階から候補に挙がっていたが、装置を準備するのに時間がかかるからと却下された。それが、いきなり復活したのです。

 工程表には、細かい工事内容も書かれていますが、実際には予定されていたよりも1・5~2倍の時間がかかっている。「循環システム」設置だって、予定の1・5倍の時間がかかりました。本社の作った工程表は、あくまでも理想で、現実性は乏しい。

 さらに今後、この暑さの中で作業は困難になります。作業員たちの健康のため、いま工事は朝6時ごろから始め、午後2時ごろには終わらせている。こんな環境の中で、工程表どおりに実現させるのは難しい。それに、1~4号機はそれぞれ状況が違うので、予想できない事態もあり得ます。

 19日に発表される新工程表でも、期日の修正はあまりないようです。というのも、期日については政府の意向が強く、政治的な責任問題が発生するとかで、なかなかいじれないらしい。結局、理想論を前提に、結論ありきでスケジュールをはめ込んでいるだけ。現場としては、国民に本当のことを知らせるべきだと思っています。

     ◇   ◇

 驚愕の証言である。いま発表されている工程表は、まったくの"デタラメ"だというのだ。

 実際、現場は事故収束に向けて着々と工事を進めつつも、決して事態を楽観していない。作業を妨げるいちばんの要因は、やはり「汚染水」だった。

     ◇   ◇

 ずっと「水」に苦しめられてきました。原子炉を冷やせば冷やすほど汚染水が増え、それが建屋の地下、トレンチ(タービン建屋外にある地下の作業用トンネル)に大量に流入していくという悪循環です。大雨が降ると敷地内に流れ出す可能性もあり、作業員が近寄れなくなる。海に流れ込む恐れもある。いま、ようやく「循環注水冷却システム」が動き始めましたが、まだ安定したとはいえない。

 しかも、もしも核燃料がメルトスルー(原子炉貫通)しているならば、たまった汚染水は非常に高濃度になっている。チェルノブイリ事故の際は、すぐに地下水対策をしましたが、それは日本の技術だった。地下にトンネルを通し、セメント、ベントナイト(粘土鉱物)などを注入して固めてしまう方式です。これをフクイチでも実施すべきではないかと思う。国土交通省はこうしたプランを数多く持っていますが、所管の経産省との連携がうまくいっていないのか、適切と思われる対応策が講じられていないのが現状です。現場からも本社にプランを上げているんですが、何の動きもない。

 また、4号機が危ない、1号機がダメらしい--などといろいろ言われますが、私から言わせれば、どれも危ない。工程表では汚染水の流出源についても、詳しく触れられていません。

 たとえば、1号機は格納容器から漏れているようです。しかし、その場所が特定できない。穴の大きさもわからない。つまり、何もできない。安易にどれくらいで収束すると断言できないのです。

 3号機では、1、2号機に続いて水素爆発を防ぐための窒素注入がようやく始まった。しかし、地下に大量の汚染水がたまって苦しい状況には変わりない。建屋内に入ることはできましたが、内部は飛散した瓦礫で埋もれていて、燃料プールの確認も大変な状況です。

 3号機、4号機に共通していえるのは、建屋の強度に不安があることです。かなり崩れていて、作業中に上からコンクリート片が落ちてくることもあり、作業員も怖がっている。

 特に4号機の燃料プールは、早急に手だてを講じないと危ない。4月の最大余震の際は「倒壊を覚悟した」と言う作業員もいたほど。すでに建屋の補強工事に着手し、作業は順調に進んでいますが、本格的な台風の季節の前に何とか対応したいところです。

 2号機も、ひどい状況です。作業の間、汚染水があふれたり、漏れたりしないかとヒヤヒヤの連続でした。ただ、少なくとも配管などは爆発でやられていないので、1号機、3号機とはちょっと状況が違いますね。とりあえずは最悪の危機は脱出したと考えています。

 最近でも、1~4号機の映像を中継している「ふくいちライブカメラ」を見て、「白い煙」が出ているとの指摘がありますが、あれは燃料プールの使用済み燃料が熱を持っているため、湯気みたいなものが出てそう見えるのです。プールから水が漏れているので十分に冷やせず、熱が下がらない。それで水蒸気が出る。もっとも、その「湯気」には放射性物質も含まれています。

     ◇   ◇

 現場は事故から4カ月たったいまでも、本社の"事なかれ主義"、そして官邸のパフォーマンスじみた言動に振り回され続けている。その矢面に立たされてきたのが、現場で陣頭指揮を執る吉田昌郎所長だ。

 震災翌日の3月12日早朝に、菅首相が断行した「現地視察」も、現場にとっては大きな"弊害"だった。

 11日、原発事故の状況が刻一刻と深刻化する中、深夜になって菅首相は突然、第一原発の現場を視察すると言いだす。格納容器内の圧力が上限を大きく超え、一刻も早くベント(排気)の必要があるとされていたころだ。菅首相は「一向にベントをしない現場に活を入れるためだった」などと説明しているが、この視察が結果的に、現場を混乱させることになったという。

     ◇   ◇

 12日早朝(午前7時すぎ)に菅さんがこちら(フクイチ)に乗り込んできたときは、本当に驚きました。確かに事前に「総理が来る」との連絡はありました。しかし、そんな急に、本当に来るとは思いもしなかった。しかも、ヘリコプターで来て免震棟で会うなり、
「何をやっている。ベントはどうなっている。早くするんだ!」
 などと怒鳴り散らすのです。総理にそこまで言われると、さすがに皆、引いてましたね。吉田所長は、
「とにかく、どんなことをしてでもやります。決死の作業で、命かけてでも絶対に何とかします」
 と答えてました。

 1号機が水素爆発を起こしたのは、ベントが遅れたせいだと指摘されていますが、現場としては、近隣住民のことが気になっていました。ベントをすれば放射能がまき散らされる。近隣住民の避難状況はどうなのか、放出される範囲は広範囲にわたるので、現場としては、かなり深刻に考えていました。

 それに、自動でベントを開閉する装置がダメになっていたため、手動で動かさなくてはならない状況だった。当時、1号機のリアクター(原子炉)建屋はかなりの放射線量が予想されていました。そんな危険な場所に誰を行かせるのか。本当に決死の作業なのです。

◆もうフクイチで死んでゆくのか◆

 この「早朝視察」について、吉田所長は周囲に、無念そうにこう言ったという。

「言い訳になるかもしれないけど、菅総理がフクイチの現場に来たことで、そちらにばかり目がいってしまい、2時間ほど『ベント』などの指示が出せなかった。当時は、すべて私が指示して動いていた。それが止まったことで、周りも動けなくなってしまった」

 東電が6月に公表した報告書によると、吉田所長がベントの準備を指示したのが12日午前0時6分のこと。そして東電が、ベント実施を菅首相、海江田万里経産相、そして原子力安全・保安院に申し入れ、了承される。ところが、午前2時24分には、現場の放射線量から作業可能時間は17分と報告され、午前4時半ごろには、余震による津波の可能性から現場操作の禁止が指示された。ベントに向けた状況が、いかに困難だったかがわかる。

 さらに、午前8時27分になって、原発立地町である大熊町の一部住民が、まだ避難できていないとの情報が入る。避難終了を待って、ようやく作業員が現場に向かったのが午前9時4分。格納容器圧力の低下を確認できたのは午後2時半になってからのことだった。

 そして午後3時36分、1号機で水素爆発が起きた--。

     ◇   ◇

 1号機が水素爆発を起こしたときは、もう目の前が真っ暗でした。ベントをしたのに、いきなりの爆発でしょう。最悪の事態です。免震棟内もパニック状態で、「帰らせてくれ」と言う作業員、社員も出てきました。私たちには、それをとめることはできません。とにかく残った人間でやるしかない。もうフクイチで被曝(ひばく)して死んでゆくのか、これまで原発で過ごしてきた何年もの日々が一瞬、頭をよぎりました。

 当時は知らなかったのですが、政府は震災当日の11日午後9時23分に、原発から「半径3キロ圏内」の住民に避難指示を出し、その後、翌12日午前5時44分に「10キロ圏内」、午後6時25分に「20キロ圏内」--と次第に範囲を拡大していった。

 でも、現場ではもっと広い範囲、少なくとも半径50キロは避難していると思った。なんといっても、あれだけの爆発だったんですから。結局、避難範囲が半径3キロ圏内と聞いたときも、「大丈夫か?」と思ったのが正直な印象ですね。

 米政府は当時、半径50マイル(約80キロ)圏内の自国民に対して避難勧告を出しました。チェルノブイリ事故では、国際原子力機関(IAEA)の報告によると、旧ソ連の汚染地域は約14万5千平方キロメートルで、約300キロ離れた地域でも高いレベルの汚染があったことがわかっている。爆発が相次ぐ中、当時は私自身、半径30キロどころか、青森から関東まで住めなくなるのではないかと思ったほどです。

 本社と政府の話し合いで決まったんだろうけど、余震の危険性などを考えれば、最低でも半径50キロ、できれば半径70キロ、万全を期すならば半径100キロでも不思議はなかった。最初は広範囲にして、それから「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)」の予測などをもとに狭めていけばよかったのではないでしょうか。

 いま原発は何とか安定していますが、放射性物質がかなり飛散しているのが実態です。避難地域の見直しが必要だと思います。実際、もう半径20キロ圏内は戻れないと、そろそろ発表してもいいんじゃないか。子どもたちが学校に通うのは無理です。最初からもっと広範囲で避難させていればと悔やまれます。

     ◇   ◇

 菅政権は6月27日、首相補佐官だった細野豪志・衆院議員を新設の「原発担当大臣」に据えた。原発事故対応に特化した新ポストだが、海江田経産相との役割分担ははっきりしない。果たして今後、事故収束に向けて政府・経産省・東電の歯車は、うまく回っていくのだろうか。

◆「私の立場はどうなるんだ」◆

 細野さんが原発担当大臣になって歓迎ムードがあるようですが、現場としては、うーんという感じ。期待はしていたんですが、正直いって彼は経産官僚と変わりない。現場が望むのは、意思決定のスピードとリーダーシップ。でも、細野さんと話しても、どちらも兼ね備えていない。経産官僚が言っていたことを、数日後に細野さんの口から聞くという感じです。経産官僚の言うがままの「操り人形」と我々は呼んでいます。

 政府の原発に関する決定は本当に遅い。菅総理は「細野に任せてある」と言うのに、細野さんは「決めるのは総理」と言うばかり。菅さんが責任を細野さんに押しつけているのは誰の目にも明らかで、細野さんは、それには乗らないと牽制(けんせい)しているんです。堂々巡りで、一向に前に進みません。

 東電本社も経産省の言うがままで、こんなにノンビリでいいのかと思うほど意思決定が遅い。この状況を喜んでいるのは、経産省をはじめとする官僚たちです。

 現場と本社には、明らかに認識のズレがあります。フクイチから本社には毎日、膨大な量の情報が上がりますが、いま国民に公表されているのはその10%、いや1%くらいかもしれません。実際、現場は当初から「メルトダウン、メルトスルーの可能性がある」と報告していますが、本社は発表しませんでした。

 一連の発表を見ていると、派閥や上司との人間関係など、社内でしか理解できない力学が働いているように思えます。

 というのも、うち(東電)は、とにかく風通しが悪い組織なんですよ。いろんな人間が口を出してくる。

 現場と本社は、衝突ばかりです。ある本社幹部は、情報公開を巡ってこんなことを言っていました。

 「そんな情報が保安院や政府にわかると、大変なことになる。(問題が)ますます拡大するじゃないか」

 そして最後には、
 「私の立場や出世はどうなるんだ。キミはわかってるのか!」
 と言うんだから呆(あき)れてしまいます。的確な情報が適切なタイミングで届かないから、トップが最終決断しなければならないときに、十分な情報がないということが起こるのです。本当に、どこを見て仕事しているんでしょうかね。

 今回の事故は我々の責任が重大で、おわびするしかありません。いま、フクイチには日本、いや世界の存亡がかかっている--私たち現場の人間はそういう覚悟でやっています。でも、残念ながらこれが、いまの本社の状況なのです。



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いつものやり方ですが、
みんなが知らないうちにどんどん北朝鮮化が進んでるようです☟
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110805/plc11080523400021-n1.htm

移動制限て…。
どこにどうやって抗議したら良いのかわかりませんが、とりあえず明日から議員さんたちにTwitterで投げかけてみます。電話してみようかな。
東京新聞のようにまともなマスコミから、マスゴミの皆様方まで、幅広く働きかけちゃおうかな。

あらあら…と呆気にとられているうちに、いつのまにか自分たちの生活が変えられてしまうのはもうイヤ。

私はあがき続けます。



Twitterはじめたら、沢山情報が入るようになりまして重宝しております。

今朝見つけたのは、千葉市在住のママさん。

この方は市の環境課に問い合わせてくださってます☟

“@tommyroom58: 【千葉市放射能対策】「体への影響はシーベルトでみるから今の線量は問題ないです」一ミリについて「今の千葉市だと内部含めて年間0.74ミリシーベルトになります」分析センターの土壌分析のやり方は参考にならないということか「そういうことになります」だそうでーす!”

しかし…年間7,4は嫌…

私もじゃんじゃん問い合わせてみようと思います。文科省もそうだけど、最近はお役所も問い合わせに慣れてきたようで、きちんと応えてくれます。その内容のレベルはともかく、無下な対応でストレス!なことはだいぶ減りました♫

文科省がまた後出しジャンケンしました☟

http://1.bp.blogspot.com/-QjtYKFlSpeQ/TjZkTKV8bxI/AAAAAAAAB6U/aWs9P_h4e-Q/s1600/fukushimafalloutKanto.JPG

高い…。

今日はもう、怒る元気がありません。

おやすみなさい。

朝になったらぜーんぶ夢だった‼てなことにならないかなあ。ならないか。
マスコミが児玉教授の国会発言について、不気味なくらい報じない。

まだ知らない方はこちらをどうぞ☟
http://famasaki.com/japan/20110729105723/

これで国が動かないなら、ホントに終わり。私は真面目に脱日を検討します。

ところで。

最近友人が遊びにきてくれて、
ゆっくりランチしてきました♫
photo:01


島野菜の天ぷら、揚がり方が最高級‼

読谷にある「てぃーあんだ」という島野菜料理屋さんでいただきました。

原発や人間関係に疲れたら、
沖縄おいでよ!そんで、安心で安全で
新鮮な島野菜いっしょに食べよう。
と、みんなに伝えたい。
アップアップ

畑をかりて育てているゴーヤーくんに
とうとう実がなりました\(^o^)/

photo:01



ちょっとぼやけてますが(^_^;)
さきっちょに黄色い花が♫

早く食べたーい!

他にはピーマン、オクラ、きゅうり、レタス、ハーブ類を育てています。

安心な食べ物が入手できなくなったとしたら、自分のチカラで食べ物を育て子どもにはそれを食べさせたい。と思っています。
もうすぐ八月!夏本番晴れ

てことで、やってきましたドラゴンフルーツの季節が♫

photo:01



すごい色ですよね。

ちょっと食べるのを躊躇するくらい
鮮やかな色ですが、
ほんのり甘くてみずみずしく、
キウイに似た食感です。

そのまま食べるのもおいしいけど
私は豆乳ヨーグルトとコラボするのが
好き。

ドラゴンのマイルドさが、
ヨーグルトの酸味とよく合います。

photo:02



ドラゴンフルーツは白と赤があって
赤は果実としていただき
白は野菜のようにいただくもの。

次回は白いほうを
買ってみよう。



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